お正月の玄関飾りや生け花に欠かせない、鮮やかな赤い実の植物。
多くの方は「千両(せんりょう)」や「南天(なんてん)」を思い浮かべるのではないでしょうか。
よく似ているこの二つ。
皆さんは千両と南天の違いをご存知でしょうか?
恥ずかしながら、私も以前は混同していたことがあります…!
今回は、この千両と南天の決定的な違いと、それぞれがお正月飾りに使われる縁起の良い意味を解説します。
「なるほど!」と納得していただける見分け方やちょっとした豆知識もご紹介しますね。

千両と南天の決定的な「違い」と簡単な見分け方
「千両」「南天」はどちらも冬に赤い実をつけますが実と葉の位置を見れば、簡単に見分けることができます。
1. 実の位置で見分ける

千両(せんりょう)・・・葉の上に実がつく。
南天(なんてん)・・・・葉の下に実がつく。
| 植物 | 実の位置 | 見た目の特徴 |
| 千両(せんりょう) | 葉の上に実がつく | 葉の上に、たくさん実が乗っているように見えます。 |
| 南天(なんてん) | 葉の下に実がつく | 葉の下から実が葡萄の房のように垂れ下がっているように見えます。 |
2. 葉のつき方で見分ける

それぞれの葉のつき方にも違いがあります。
千両:葉っぱが対になって付いている(向かい合ってつく)。
南天:葉っぱが枝から互い違いにつき、複雑なつき方をしている。
さらに、葉の縁も千両はギザギザしているのに対して南天は切り込みがなくスッとしています。

【覚え方のコツ】
・千両(上):お金の「千両」は上にたまる → 葉の上に実がつく。
・南天(下):「難を転じる」から難は下に落とす → 葉の下に実が垂れるようにつく。
お正月の花材として使われるのはなぜ?

千両も南天も、お正月飾りに使われるのはその美しい見た目だけでなく、縁起の良い「語呂合わせ」が由来です。
千両(せんりょう)
- 縁起の意味: 「富」や「財産」
- 由来: : 赤い実がたわわに実る様子が「お金が増える」様子に見立てられ、お正月飾りとして「商売繁盛」や「豊かさ」を願う縁起の良い植物とされています。 財運や商売繁盛の願いが込められています。
南天(なんてん)
- 縁起の意味: 「難(なん)を転(てん)じて福をなす」
- 由来: 元は中国から渡来した「南天竺」が省力され「南天」の呼び名になりました。名前を音読みすると「なんてん」=「難転」に通じることから、魔除けや災難除けとして親しまれ、縁起木として玄関や鬼門の方角に植えられたそうです。
ちょっとした豆知識

楽しみ方のヒント
千両や南天は花瓶にポンと入れるだけでも季節感が出ておしゃれに飾ることができます。
また、2つを一緒に飾ってみると、千両の葉の上に実がつく力強さと、南天のしなやかな実の付き方を組み合わせることで、対照的な美しさが生まれます。
お正月花として飾るなら松や葉牡丹などと組み合わせるとより豪華でお正月らしい雰囲気になりますね。
南天の隠れた役割
南天は古くからお赤飯に添えたり魚を包んだりするのに使われてきました。
これは、南天の葉に含まれる成分に解毒作用や殺菌・防腐作用があるためです。
また、果実を乾燥させた「南天実」に含まれる成分は、鎮咳の生薬としても利用されています。

南天の成分が含まれた のど飴がありますよね!
千両を使ったお正月アレンジ

千両や南天の赤い実は、お正月飾りに映える縁起物です。
それぞれの違いや見分け方、意味を知って、ぜひ飾って楽しんでみてください。
ペンタスモア 12月レッスン「新春 和風プレートアレンジ」では、今回ご紹介した縁起の良い千両を使用しています。
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