春は別れと出会いの季節。
先日、ある大切な方の「ご退職のお祝い」に、オーダーメイドのアレンジメントをお作りさせていただきました。
今回のご依頼は、私にとっても非常に感慨深いものでした。
ご依頼主もお受取人の方も、私自身が大変お世話になった方々。
そんなお二人の大切な瞬間に立ち会えることが、何よりも嬉しく、光栄な機会でした。

贈る方の想いを、形にするプロセス

最初にご相談させていただいたのは、アレンジメントのスタイルについてでした。
私のInstagramをご覧になり、「ボックスに入ったアレンジを」とご希望をいただきました。
当初イメージされていたのは、お花を前面に敷き詰めた華やかなスタイル。
合わせて、私はもう一つの選択肢として「フレームの中に、そっと花束を添えるスタイル」も併せてご提案させていただきました。
「このような形もお作りできますよ」とお伝えしたところ、今回はこの「花束タイプ」を選んでいただくことになりました。
お花の種類や色味は、「お相手に合わせて、お任せします」と、信頼して託してくださいました。
優しい笑顔にイメージを重ねて

制作中、お受りになる方の、これまでの日々とお人柄に想いを馳せました。
いつも優しい笑顔を絶やさず、一つひとつのお仕事に誠実に向き合われるお姿。
日常の何気ない装いにも、大人の洗練されたナチュラルな美しさを纏っていらっしゃる、憧れの方です。
そんな私にとっても大切な方のイメージを形にするため、一輪一輪、アーティフィシャルフラワーの質感と表情にこだわって厳選しました。
- メインカラー: 心を解きほぐすような優しいクリームイエローと、柔らかなパープル。
- アクセント: 新たな門出を祝福する、温かなイエローとオレンジ。
- 背景: 花束の魅力を引き立てる、繊細なリバティプリントの生地をボックスの底面に設えました。

仕上げに添えたのは、イタリア語のメッセージが刻まれたコットンリボン。
“Ogni giorno è un nuovo giorno.”
(毎日は、新しい一日。)
ご退職後のこれからの日々が、穏やかで、柔らかな光を纏うような幸せな毎日でありますように……。
そんな願いを、この言葉にそっと託しました。
花が結んでくれた、幸せな再会

「贈り物を考えたとき、すぐに (私の)お花が浮かんだんです」
ご依頼主からいただいたそのお言葉が、何よりも嬉しく、胸に深く響きました。
花を通じて、久しぶりにお二人とお会いすることができ、温かな時間を共有できたことに心から感謝しています。

誰かを想い、その人のために花を選ぶ。
そんな優しい循環の中に立ち会えることは、作り手としてこの上ない幸せです。
オーダーいただいた作品が、新たなステージへと歩み出す大切な方の毎日に、心地よい彩りを添えてくれることを願っています。

